「おい」

男性に声をかけられ、びくりと二人の肩が揺れる。ノエルが男性の方を見ると、男性三人は二人を見ていた。声はノエルたちにかけられたのだ。

「な、何ですか?」

ノエルがビクビクしながら言うと、男性の一人がスッと近づいてきた。その刹那、ノエルの首に冷たいものが触れる。

「一緒に来てもらおうか。抵抗したら殺す。いいな?」

キキにもナイフが向けられていた。キキの顔は真っ青になっている。

ノエルとキキは男性三人に連れて行かれた。その様子を、スーツを着た男性が見つめていた。

男性が笑みを浮かべていたことは、誰も知らない。



ノエルとキキは男性たちに連れられ、街中から山奥にある山小屋へと押し込められた。

「よし、うまくいったな!」

「こいつらを使って身代金をたんまり取ろうぜ!!」

男性三人は下品に笑い、お酒を飲んでいる。その様子をノエルとキキは体を震わせながら見ていた。男性たちの近くには、ナイフや銃などの武器が置かれている。ノエルたちが逃げないようにするためだろう。