キキの笑顔に、ノエルはとても嬉しさを感じた。

そして、二人はお金を全て使い切るまでお祭りを楽しみ、帰ることになった。とは言っても、まだ午後三時をすぎたくらいだ。人は相変わらず大勢いて、お祭りは賑わっている。

「帰ったら、買ったドレスを着てファッションショーでもしようよ」

キキの提案にノエルは「面白そう!」と頷く。買ったドレスは、シンプルなものからレースやリボンで飾られた豪華なものまでたくさんある。どんなドレスを一番に着ようかノエルは胸を弾ませた。

賑やかなお祭り会場の外へ出ると、人が会場に集まっているせいか通りが寂しく感じた。しかし、二人は気にせずお屋敷へと帰る。

「今度、屋台で売られていたシュークリームを二人で作ってみようよ。レシピを屋台の人が教えてくれたし」

「うん!あと、フロマージュも作ってみたいな〜」

そう言いながら二人が歩いていると、曲がり角から三人の男性が出てきた。三人はどこか目つきが悪く、ノエルとキキは目を合わせないように互いの顔を見つめた。