ノエルとキキは両手を後ろ手に縛られ、部屋の隅に座らされている。二人は泣くのを堪えていた。

「しっかし、最近のガキは発育がいいな〜」

男性の一人が二人に近づく。そしてキキを乱暴に引き寄せると体を触り始めた。

「いっ……嫌ッ……!!」

キキが泣き出し、ノエルの胸に怒りが広がっていく。

「キキを放せ!!」

ノエルは男性に飛びかかり、その腕に噛み付いた。足は幸いにも拘束されていない。

「……ッテェ!何すんだ、このガキ!!」

男性はノエルを殴りつけ、キキを突き飛ばす。そしてノエルに馬乗りになり、何度も暴力を振るう。激しい痛みにノエルは気を失いそうになった。キキの悲鳴と男性の怒鳴り声が響く。

「……次に逆らったら殺すからな?」

朦朧とする意識の中で、ノエルの髪が掴まれ、男性の声が聞こえる。髪を掴まれた痛みで、ノエルの意識はまた戻った。

「ノエル!顔……顔が……」

キキの声が震えている。血が流れている感覚や、顔や体のあちこちが痛んでいるのをノエルは感じた。