食べ終わるタイミングで
コーヒーを三つ運んでくると正面に座った二人

なんとも言えない表情の二人に
俺がするべきことは


「すまなかった」


テーブルにオデコを打つける位
頭を深く下げることだった


「宙も辛かったと思う・・・
思うけど・・・俺らも辛かった」


そう言った悟は杏樹を一度見ると俺に視線を合わせた


「あの頃は私も悟も子供だったからさ
何が最善だとか考えることもせずに
宙の“想う”ように手を貸したけど
考えれば考えるほど、大人になればなるほど・・・恋ちゃんにしたことを
後悔したの・・・だから私達も恋ちゃんに謝りたい」


悪の片棒を担がせた二人には
何度謝ったって謝り足りねぇ


「先ずは俺が詫びを入れる
此処へはそれからで良いか?」


「あぁ、許して貰えるなんて思ってないけど
俺達がやったことで恋ちゃんに辛い思いをさせてきたことは確かだからさ
正直に話して謝りたい」


「すまなかった」


何度も口にしながら奥歯を噛み締めた


「爺さん家に住むのか?」


「あぁ、暫くはそのつもり」


「そっか、いつでも飯食いに来いよ
篤哉たちにもまた声掛けとくからさ」


懐かしい名前にホッとしながら
水滴のついたグラスのストローをグルリと回すとコーヒーを飲み干した