私が宙のことを説明し終わるまでに
宙は二回お茶を煎れ直し
時折補足しながら加わった


しばらく考え込んでいた絢音は


「ふ〜〜〜ん、そうだったんですね」


軽い返事をした


「村越のことを簡単に済ませたのは
宙さんの存在があったからですかぁ」


「違うよ、宙と再会したのは
パーティーの日が8年振りだから」


「そっかぁ、じゃあ〜
やっぱり村越はやっつけないと
気が済まないんですぅ」


絢音のいつものクネクネが
漸く戻ってホッとする


「恋、村越ってアイツか?」


「え?宙さん村越に会ったことあるんですか〜?」


「あ、パーティーの日、心配して
訪ねてくれたのよ」


「キャー修羅場ですかぁ?」


絢音の瞳が爛々としてきた


「修羅場じゃないけど
喧嘩は吹っかけたわよね」


「あぁ」


「キャ〜〜絢音も見たかったぁ」


一人で盛り上がっている絢音を尻目に
宙は苦虫を噛み潰したような顔をしている


「あんなクソカップルのことは忘れて
仲良くしてくださいね〜」


警察に通報までしようとしていたクセに
宙の話しを聞くと直ぐ“宙派”と
ありもしない派閥を作った絢音

渋い顔をしている宙も
純粋に私を想ってくれる絢音に

最後は穏やかな表情を見せていた