雨の日はそばにいて抱きしめて



昨日の様子を絢音から聞いて朝イチに部屋に来てくれた小波

高校生の頃からずっと小波に支えられている

宙が居たから話せなかった内容が
長文には並んでいた


[突然で驚いた・・・
でもね?
あの頃の二人を知ってて
恋を一番近くで見てきた私が
感じてきた違和感・・・
もちろん
恋を泣かせたことを許さないし
正直、アイツの事は嫌い
だけど・・・あの頃も
どこか変だと思ってた
あんなに恋のこと大事にしてたのに
手のひらを返したような態度は
何かあるんじゃないかって思ってた
でもあの頃は私も恋も子供で
アイツのことを考えてあげる余裕は
無かったでしょ?
傷ついて泣いたあの頃の記憶は
消えないかもしれない、けど
今回、事情がわかっただけでも
あの頃流した涙と痛みが
少しは報われるんじゃないかな?
そしたら
もう一度、アイツを信じてみるのも
前へ進むチャンスだと思うよ]


小波のメッセージを何度も読み返して
頭を回る言葉を飲み込む

臆病になって彼氏を作れなかったこと

雨の日の不調も

心を閉ざす原因は宙だった

でも、その宙の態度は
私を宙に縛りたかっただけだと知った

いつまでも立ち止まったままの今の状態では前へは進めない


あれから8年も経って大人になった今だから気付けること


もう一度信じてみるのも一つの手



小波からのメッセージは
嫌いと言う宙のことを思いやる内容だった


[ありがとう
ちゃんと向き合うから]


短いメッセージを送信すると


「着いた」


車はどこかの駐車場に停まっていた