「信用に値するかどうか・・・」
宙の話を聞いた上で迷いなくそう口にした小波
「直ぐには無理でも
これからの俺を見ていて欲しい」
真っ直ぐわたしを見る宙の瞳に
少なくとも嘘は感じられなくて
「恋は?コイツの話を聞いて
どう思ったの?」
「・・・私は・・・」
小波と同じように真相を聞いたところで
はいそうですか!と信用できるかどうかは返事が出来なくて
「時間が欲しい」
これが精一杯の返事だった
「側に居ることは許してくれるよな?
離れてたらチャンスも生まれないだろ?」
「ま〜、それぐらい良いんじゃない?」
距離を保つことを提案してくれる思ったのに
小波はアッサリと宙の話を私より先に受け入れた
「恋も、昨日はとりあえず言いたいこと言えたんでしょ?」
「うん」
「囚われてきた8年分を
原因のコイツに償わせて
リハビリにすれば良いんじゃない?」
笑顔でキツイことをサラリと放つ小波に頷きながら答える私
そのやり取りを聞いていた宙は
「もう離さないって誓う
だから一緒にリハビリしよう」
プロポーズするかのように
隣で跪いた
・
“サヨナラ”を言うためだけに
待っていた瞬間は
“サヨナラ”も言えず
もう一度始める
新たな未来へ向かう瞬間へと変化した