雨の日はそばにいて抱きしめて



ピンポーン



・・・っ



昨日のことが頭を過って
サッと立ち上がるとモニター前に立った


そこに映ったのは小波


「恋のツレだよな?」


同じようにモニターを覗き込んだ宙が小波に気付いた


麻人じゃないとホッとしたところで
今度は小波になんて説明しようかと焦る

どん底の毎日をずっと隣で支えてくれた小波

悩む私より先に動いたのは宙で
“待って”と口を開く前に

玄関の扉を開いていた


「・・・アンタ」


驚いた顔が徐々に怒りへ変化する


「小波」


「恋、どういうこと?」


「説明するから」


なんで私が焦ってんだか・・・
妙な展開に


「上がって貰えよ
説明するんだろ?」


当の本人はあっけらかんとしていて
まるで我が家へ招くように


「コーヒーでいいか?」


小波のコーヒーを用意し始めた


「どういうこと?」


「・・・ちゃんと説明するから」


家主なのに小声で話す私と小波の向こう側から


「どうぞ〜」


能天気な宙の声が響いた


「お邪魔しま〜す」


恐る恐る入ってきた小波は
食卓テーブルの向かい側に座った

宙はソファに座ると


「俺から説明していいか?」


身体ごとこちらに向くと



「悪かった」



深々と頭を下げた