こいつは何を言ってるんだろうか?


暫し金髪の顔を見上げたまま
固まる私に


「俺の写真を売り捌く
いつもの奴らかと思った」


今の無礼な行動の訳を放った


「・・・は?」


間違いなく阿呆面になっているだろう私の顔を
今は構っている暇なんてなくて


「芸能人?モデル?」


写真を撮られて困る人を思い浮かべていた
確かに金髪の顔は整っていて
ニキビなんて出来たことないでしょ?ってくらい肌も綺麗

ジロジロと金髪を観察する私に


「あ゛?お前・・・
俺を知らねぇの?」


少し眉根を寄せた金髪


「あ、私そっち関係に疎くて」


そんなこと言われても
知らないものは知らなくて


それなのに

「ブッ、クッ・・・」


急に吹き出した

盗撮までされる程の金髪を
ちょっと知らなくっても
吹き出すほどのこと?

失礼極まりない!

そう思う私の表情を見て


「あ、クッ・・・悪りぃ
モデルもなんもやってねぇ」


笑いを必死で堪えながら
謝られても・・・・・・ねぇ


「ふーん」


モデルじゃないけど盗撮される
金髪イケメン・・・
勿論、私の中では興味の対象外

それより
金髪が居ない今が桜のシャッターチャンスじゃない?

少しワクワクが戻ってきて

金髪から離れると
桜の木に向かって携帯を構えた



「お前、面白いな」


「・・・・・・は?」


またも聞こえた意味不明な言葉に
疑問符しか湧いてこなくて

すぐ隣に立って
写真を撮る私を見ている金髪を
とりあえず無視して撮影ボタンを押し続けた