「・・・・・・イタッ」





また鈍い頭の痛みで目が覚めてしまった


小さく吐き出したため息を壁に向けると
時計は三時を示していた



このまま寝たら確実に朝には地獄が待っている・・・・・・



仕方なく重い身体を起こしてベッドから降りるとリビングへと続くドアを開いた


暗闇のまま数歩進みキッチンカウンターの中へ入ると冷蔵庫の扉を開いた


「眩し」


急に目に入る明かりに目を細めながら
お目当てのゼリー飲料に手を伸ばす

少し冷たいそれを少し胃の中に流し込むと

ドアポケットの中に並ぶ錠剤を一粒取り出した



・・・朝までにはよろしく



祈るようにそれをミネラルウォーターで嚥下した


扉を閉めると一気に闇が戻ってきて
今度は壁に触れないと一歩も歩けない気がする


まだ温もりの残るベッドに身体滑り込ませると
胃の辺りに違和感を感じて


そっと手を乗せると
外から温めるように目を閉じた




頭痛で睡眠を邪魔されるようになったのは8年前のある時から・・・


鎮痛剤を飲まずにそのまま眠れば
翌朝の体調は最悪になる

その為のゼリー飲料と鎮痛剤

負のループから抜け出せる日は来るのだろうか?

あまりに当たり前になった日常に
また一つため息を吐き出した



・・・・・・雨、ね



こんな日は間違いなく外は雨だろう

気圧の関係と言ってしまえば
それまでの話だけれど




8年前のあの日から
雨の日が酷く嫌いになった