「へぇ、じゃあクリスマスには告白するんだ」

翌日の放課後。美咲は、早速親友の咲良に昨日の話をした。
美咲が瑠衣に恋心を抱いていることは認識済みで、時折咲良に恋愛相談を持ちかけることもある。
咲良は平然とした様子で、肘をつきながら美咲を見据える。

「そうなの。この前の告白は断ったみたいだけど、次はどうするかわからないし、覚悟を決めないとって思ったんだ」

勢いで前のめりになり、咲良は「わかった、わかったから。顔、近い」と美咲をなだめた。

「ていうか、そんなに焦らなくても大丈夫だと思うよ。黒川くんは誰に告白されても、普通に断るだろうし」

「えっ? どうして?」

本気でわからないと首を傾げると、なぜか咲良にため息をつかれる。

「これじゃ、黒川くんも苦労するよなー……」

不意に咲良の呟きが耳に届き、聞き返そうとするが、咲良が「それで」と話を続けた。

「告白するって言っても、正確には何するつもり? やっぱり、プレゼントとかあげるの?」

「うん! でも、手作りだとちょっと気恥ずかしいから、お店で買う予定なんだよね。咲良、どこかいいお店知ってる?」

「うーん……。買うものによるけど、それじゃあこれから、一緒にショッピングモールを回ってみる? ちょうど兄弟のクリスマスプレゼントを買おうと思ってるところだし。美咲の予定が空いてるならだけど」

咲良の提案に美咲は「大丈夫! 予定なら空いてるよ!」と了承し、二人はショッピングモールの方へと足を向けた。