君のいない場所で私はどうしてると思う?

*
ピピピッ ピピピッ

「んんっ………。」


ついにこの日が来た。

私にとっても斎藤にとっても緊張する日。

斎藤が手術する日。

私は昨日LINEで文じゃなくて、直接電話で3時間くらい話してた。

お互い本音を言い合ったりできたからよかった。

だから今日はほんの少しだけ安心できる。


「頑張って……斎藤」


私は空を見ながら斎藤を思い出してついつい言ってしまった。


*


「今日だね、斎藤」

「うん、斎藤なら大丈夫。女の子以外には強いから。」

「プッ…なにそれっ…」

「ちょっと、なにが面白いのよ。」

「いやー?なんかひな斎藤こと知りすぎてないかなって」


そんなのあたりまえあたりまえ。

どんだけ斎藤のこと知ってきたと思ってんのよ。


*


キーンコーンカーンコーン

「これで四時間目は終わりです。お昼ご飯の挨拶するから5分後には席着いててね」

「はーい」


*


「まーだ治んないのねそれ。」

「当たり前でしょ、本は大切なの」

「じゃあ斎藤とどっちが大切なわけ?」


っ…。

なんか問いかけてくるって思ったらこれか。

でもそんなの一択。

斎藤に決まってる。

斎藤のためなら本だって捨てられるんだから。



「ねーえーどっちー?」

「そんなの…一択しかないじゃん」

「どっちよ」

「斎藤。」

「おおっ!聞きましたか?!皆さん!!今木下が本より斎藤が大切と言いました!!」

「ちょっと!!高橋あんたいい加減にしなさいよ!!」


これだから高橋は嫌い。

でもここに本人がいなくて良かった。

本人にさえバレなければいいから。