君からの手紙を、僕は読みたくなかった。

昼休み。お弁当の時間だ。


僕はいつも、図書室の飲食OKコーナーで食べてい


る。


今日も、いつも通りお弁当を持って立ち上がる。


図書室は1つ上の階だから、階段を上らなければなら


ない。


騒がしい空間から逃げるように上って行く。


その時。


バタバタと足音が聞こえ、誰かが僕の名前を呼んだ。


「宮くん、ちょっと待ってっ」


桜夜ちゃんだった。走って来たのか、髪がボサボサ


だ。


「どうしたの」


桜夜ちゃんの髪に向けていた視線を目に向けて問いか


ける。


「どうした、も何も、後で話そうねって言ったのに
~。休みに入った途端すぐにどっか行っちゃうんだも
ん」


「そんなことで?」びっくりして、声が裏返ってしまった。


普通に聞いただけなのに、何故かムスッとしている。


あれ?少し怒ってる?