君からの手紙を、僕は読みたくなかった。

俯いたまま謝ると、笑い声が聞こえた。


「はははっ。そんなにびびらなくてもいいのに」


笑ってる。初めて見たかも。


「な、名前覚えるの苦手で...」


「そっか~。私、桜夜(さよ)。広瀬桜夜。」


「桜夜ちゃん....」確かめるように繰り返す。


すると、桜夜ちゃんは一瞬目を丸くして、笑った。


「何だい、宮くん。」


今度は僕が驚いた。


「何で僕の名前...」


「そりゃ、クラスメートだからね」


当たり前のように、桜夜ちゃんは答える。


初めて名前を言われたことにドギマギしてると、桜夜


ちゃんが口を開く。