助けたかった。


クラスメートとして。友達として。


何か力になりたかった。


「..けて....し..」


絞り出すような小さな声。


「何?聞こえない」


はっきり桜夜ちゃんの口から聞きたい。


「助けて欲しい」


さっきよりも強い声で助けを求められる。


弱さを出せるのは、心が強い証拠だ。


「よく出来ました」


まるで小さな子供を相手にしているように話す。


電話の向こうで、桜夜ちゃんが泣きじゃくっている。


何も言えず、自分が情けなく思う。