君からの手紙を、僕は読みたくなかった。

プルルルルルルルルルルル


僕の目を覚ましたのは、電話の呼び出し音だった。


「だれ....」頭が働かない。


名前表示を見ずに電話に出る。


突然頭に響いた声に、重たい瞼が軽くなる。


「もっしもーし?」


「さ、桜夜ちゃん!?」


「何をそんなに驚いてるんだ、少年」


「........高校2年生は少年でいいの?」


くだらないボケにくだらないツッコミで返す。


「それは知らぬ」まじかよ。


「あれ?桜夜ちゃん泣いてる?声がなんか違う」


しばらくの間、沈黙が流れる。


「はははは。宮くんは鋭いなぁっ....」


ううっ、、、ひっく、、、ふううっ、、、


桜夜ちゃんの嗚咽が聞こえる。


あんなに強い、桜夜ちゃんが泣いてるんだ。


助けてあげなければ。


どうやら僕は、大分君に心をゆるしてしまっているようだ。