君からの手紙を、僕は読みたくなかった。

頬に触れると、泣いていた。


なんで泣いてるんだ。


僕は泣いていい立場じゃない。


「ご、ごめん。ほんとに、ごめん」


「謝んないでよ。何か理由があるんでしょ」


「うん」涙を拭きながら桜夜ちゃんを見る。


「まだ、教えてくれないよね」


「まだ、言えない。もう少ししたら、聞いてほしいかも」


素直に伝える。本音をぶつける。


「いいよ~!いつでも聞くからね」


その屈託のない笑顔に救われる。


「ありがと。桜夜ちゃんのも聞くからね」


「どーいたしまして、こちらこそありがとう!」


僕はまだ知らなかった。


笑顔が眩しい桜夜ちゃんが、涙を流しているなんて。