君からの手紙を、僕は読みたくなかった。

メモ帳が挟まれていた。


つい最近挟まれたものではなさそうだった。


僕が驚いたのはそれだけじゃない。


僕の名前が書かれていた。


宮へ、と書いてあった。


どこかで見た字だった。


今は見たくない字だった。


見ることのないはずの字だった。


いや、見ることのできない字だった。


しばらくの間、固まっていた。


僕を我に返らせたのは、桜夜ちゃんだった。


「どうしたの」


「どうもしないよ」


教えたくない。知られたくない。


「.....泣いてるよ」


「え?」