僕達は10分という貴重な時間を無駄にしていた。


2人でお弁当を広げて食べはじめる。


「私さあ、干渉されたくないから皆には言ってない事があって、今絶賛傷つき中なんだよね。また今度相談のってよ」


唐突に、桜夜ちゃんが口を開いた。


「別にいいけど、アドバイスとかあげらんないよ」


「ったく、つれないなぁ」ボソッと文句を言われる。


恋愛関係なら尚更無理だよ。口にはださず飲み込んでおく。


ふと思いたったように桜夜ちゃんが続ける。


「宮くんも、なんかありそうだから言ってね」


女子の勘ってすごいなぁ。図星なんですけど。


「君に心をゆるせたらね。」


今はまだ、桜夜ちゃんには言えない。


僕の悩みは受け入れられにくい。


出会ったばかりの人に言えるほど、軽くはないんだ。