『バイバーイ』
『またねー』
「あい、帰ろ」
「……西は?」
「は、…やめてよあいが、似合わない、」
「んーでもいいやー眠いから寝ぼけてんの覚まして帰るー」
「えー」
「じゃねー」
「つっても同じ方向だけどね、バイバイ」
私は伸びをして、手を振りながら穂花と別れた。ほんとは同じ方向だけどね。
せっかくだから遠回りして帰ろう、と、
思ったのが間違いだった。
「永瀬…」
背後から私の名前を呼んだその声の持ち主は中野だった。
逃げようとするけど中野に捕まえられる。
「離してよ」
「やだ」
「離して」
「やだ」
「離してってば!しつこいなぁ!」
「やだ!
……ってごめん、誤りに来ただけなんだ。俺、永瀬が恋愛とか興味ないの知ってたのに告ったりなんかしてごめん!嫌いな奴に告られるとかウザかったと思う、キモって思ったと思う、ごめん!」
「……………………はっ」
それを聞いて、思わず乾いた笑いが漏れた。
「ばかじゃないの、私 …女じゃないんだよ。」
「は、」
「女でも男でもないんだよ。私。」
「え…………」
静かに言い残すと、私は来た道を引き返し始めた。
あぁ、終わったなって、思った。


