チクショー、復讐するテーマのサスペンス映画なんか選ぶんじゃなかった…
そんな事を思いながら、俺達は賑やかなホールを歩いていた
「何したの?そんな苦い顔して…」
蒼湖はキョトンとした表情で横を歩く
もしアイツが、本当に出所して復讐を考えたら、真っ先に俺らを狙ってくるだろう…
もしかしたら、また蒼湖を…
「今度…」
「え?」
「…今度お前を守れなかったら、俺は本当に死ぬかもな…」
繋いだ手をぎゅっと掴む
俺が彼女を見ると、複雑な表情で笑った
「もう緋色も私も、あの時の私達じゃないから、死なないよ…」
「…え?」
「あの時、私達の世界には私達しかいなかった。だから失った時に暗闇に落ちた。
でも今は、友達がいる。夢があって、家族もいて、大事な物がたくさんある。だから、私達は死ねない。
………確かに、深い悲しみに落ちるだろうけどね…」
「………」
確かに…俺達は大人になった
あの頃の俺らじゃない
大事な人や想いが、今はたくさんある
「ま、私も緋色も死なないけど。私が死なせないし!」
にやっと笑う蒼湖に、俺もつられて笑う。
そうだ、守るんだ…
今を…
未来を!!



