「よう、元気?」

「緋色、また背が伸びたか?」

「ついに追い越したかもな!今185になったよ…」

二人で笑いながら、丸い簡易椅子に座った

「これ、いつもの弁当…
碧依のヤツ、また腕を上げたぜ?鈴バアの味に近付いてる!」

「この弁当、いつも楽しみにしてるよ…碧依さんには伝えておいてくれ」

「あいつ、いつも緊張しながら作ってるから、喜ぶよ」

お互い軽く微笑んだ

「…親父、ちゃんと食ってるか?」

「ああ、かなり健康的な飯ばかりだから、元気だ」




「…ババアとか、見舞いに来る?」

「あいつらは一度も来た事ないな…離婚してから、一度も会ってない」

「…そうか…
なあ、出所したら、しばらく俺の家に来るだろ?あそこ、引き払ってねーから…」

「だから、お前は心配すんな」

「こんな事になってから、親父の金には手を付けてないんだ。しばらくは生活できる金額のまま残してるんだ」

「緋色、それはお前の金だ、お前の為に使えと言ってるだろ!?」

「でも、もう社長じゃないんだぜ?」