出会いは忘れもしない。4月1日だ。


その日は入学式の準備があり、春休み中ではあるが学校に行く日だった。そこで出会った。


────先生に。


出会ったという表現が正しいのかは分からない。私の学校に異動してきた先生に、ほぼ一目惚れ状態。どこか可愛らしい雰囲気の先生に、既に惹かれていた。


「ねえ、さくら。あの先生なんかちょっと可愛くない?」


そう話しかけてきたのは親友の桜花(おうか)。小学校からの付き合いで、かれこれ9年目だ。


「分かる。なんか可愛い。なんて名前なんだろ」


着任式はまだ少し先の話なので、名前が分かるのはもう少し先になる。ちょっともどかしい。


「では椅子出しなどしますので体育館に移動してください〜」


生徒会担当の先生から指示があり、各自体育館へ向かう。


着任式が待ち遠しいな、なんて思いながら桜花と体育館へ向かった。