そう意気込んだ翌日の学校。
昼休み、私は1人教室で読書をして過ごしていた。
智子は他の友達や、例の好きな人と校庭で遊んでいる。私は、給食後に動いたら確実に横っ腹が痛くなるから、誘われても基本的に教室にいる。
教室はいつもは3人くらいしかいないのに、今日は何故かハルくんと友達の悟(さとる)くんがいる。教室の後ろのロッカーに寄りかかって、何やら会話している。
「俺が捻挫したからって、気遣わなくていいのに。他の奴ら、思いっきり遊びに行ってるし」
「いいって!悟がいなかったら、楽しくねーだろー」
ハルくんの声だ。友達想いなんだなぁ…。
「なあ」
「ん?何ー?」
「お前、好きな人とかいんの?」
不意に、悟くんがハルくんに聞いたその言葉が、耳に入ってきた。…好きな子の、話か。
聞きたいような、聞きたくないような…。複雑な気持ち。
だけど、立つこともできず、聞くことになってしまった。
「隣っ…」
隣……?それは…
「2組の子?んあー、可愛い子いたっけー。何だよ春也、イケメンは隣のクラスにまで顔が広いのかー?」
「え…?あぁ…うん、そうだな!俺好みの、すんげー可愛い子がいてさー!それで、一目惚れで!」