帰ってから、ご飯を食べていても、録り溜めてたテレビ番組を見ていても、お風呂に入っても、ベッドに入っても……
頭から、奥寺くんが離れない。
気になって仕方ない。

やっぱこういう時は、少しでも女子として意識してもらう所から始まるんだよね!

えっと…うーん。

そうだ、名前だ。呼び方を工夫するんだ。前に何かで聞いた気がする。男子は、下の名前で呼ぶと意識してくれるんだって。


「春也くん、春…也」


ベッドの中で布団にくるまりながら、口許で彼の名前を呟いてみる。
は…恥ずかしい。


「ハル、くん」


ハルくんか…そっか。

また、喋る機会があったら、ハルくんって。
呼んでみよう。