私は、意を決して、ハルくんにぎゅっと抱きついた。


「うおっ!」

「私も、好き…好きです」


やっと言えた。
好きなハルくんに、ちゃんと「好き」って。

「…まさか、こんな大胆に来るとは思ってなかったけど…それ以上に、今俺めっちゃ嬉しい…」


そう言って、ハルくんも抱き締め返してくれた。


「そ…そろそろ戻らないとマズイんじゃ…」

「ああ…そ、そうだな」


ハルくんは我に返ったように私を離す。
だけど、不意に合った目は逸らさなかった。

逸らせなかった。


「ハルくん…?」


大人っぽい顔をして、そんな顔を近付けてきた。

私は目を閉じた。


ドキドキ落ち着かない心臓が邪魔する。だけど。

唇が重なったのはしっかり分かる。


初めてのキスは、甘くて優しかった。





私の春は、甘酸っぱい。