「待てよ、ちゃんと聞きたい。未雪の口から、好きって聞きたい」


私は足を止めざるを得なかった。
すると、ハルくんは私の前に立った。意地でも行かせないぞ、とばかりに。


「言いづらいって…」

「じゃあ、俺がもう1回告白する?」

「えっ……」

「はい決定!」


私の心臓、もつかな…。


「奥寺未雪さん!」

「ううっ…は、はい!」

「いい返事だっ」


彼は明るく笑みを浮かべた。だけどすぐに、真面目な顔で見つめてきた。


「俺は、未雪のことが好きです。付き合って下さい」

「…うん!」


私は強く頷いた。


「そうじゃ、ないっ!」

「んんー…」

「そんな、バレたかー…みたいな反応してもダメ。可愛いだけ」


ハルくんは軽く苦笑しながら、私の頭を撫でてくる。突然甘々になるのは、心臓に悪い。


ああ…このままじゃダメだ。ダメなんだ。
こんなカッコイイ人の彼女になるんだから、こんな内気なままでいるわけにはいかない。ちゃんと、ハルくん胸を張って「彼女です」って、そう言ってもらえるようにならなくちゃいけない。

…変わらないと。