「信じるわけない…!」
私は思わず、ハルくんに抱き締められたまま涙を流してしまう。涙声で、きっとハルくんにはバレてる。その上、私が落とした涙の粒が、彼の手に落ちる。
「未雪…?泣かせちゃった?」
「…泣いてない」
見えないのを良いことに嘘をつく。
「ほっといて…」
「ほっとけないよ。好きな子が泣いてるのに」
これでもかと甘優しい声で言ってきた。
「好きな子じゃない…!」
「えぇ…」
ハルくんが呆れたような反応をしてきた。
「未玖ちゃんが好きなくせに…」
私はうっかり言葉を零した。
「…誰、ミクって?」
「隣のクラスの、未玖ちゃん…」
「は…?」
わざとらしいとか思いたかったけど、そんなことなくて。
「ねえ、もしかして、バッチリ聞いてた感じ?」
「昨日の昼休みの…?」
「ああ…やっぱり…」
ハルくんは、ハア…と溜め息をついた。



