箒を片付けていると、ハルくんは窓を閉めていた。だけどその後、何故か扉まで閉めてしまった。…もう帰るのに?もしかして天然でうっかり閉めちゃったのかな。
呑気にそう思っていると、後ろから柔らかい温もりを感じる。…後ろから抱き締められてる?
「まだ、帰したくない」
「どういう、こと…?もう、早く帰ろ…」
「まだ話終わってねーのに。帰る気なの?」
「話…なんて…」
「俺に冷たい件について」
まだ続いてたんだ…。
「だから…気のせいだって…」
「本気で言ってんの?だったら尚更、帰せないな」
彼はより腕の力を強めた。
「離して…」
口ではそう言うのに、温もりから離れたくない…。だけど、これはおかしいんだよ?未玖ちゃんは?
「じゃあ分かった。…俺から正直なこと言わせてもらう」
正直な、こと…?



