「ハル…くん…?」


私はハッとする。


「あっ…」

「俺のことだよね?」


今まで口にしてなかったんだ…。


「今のは、その…」

「そんな呼び方してたっけ?…ハハッ、初めてだわ、ハルくんは。ありがちそうで、ないがちだったねー!」


予想もしない反応をされた。
ってか、ないがちって…?私はおもわず笑ってしまう。


「ん?…未雪やっと笑った」


そう言って、ハルくんまで笑った。

30分程で第2音楽室の掃除が終わる。
ハルくん呼びしてしまってから、彼は気を良くしたのか、私の冷たい問題については触れてこなかった。