『話すことなんかない言うてるやろ。』
「いつも2人でお昼食べてるんですか?」
『は?』
このまま逃げられてしまいそうだったから、つい畳み掛けてしまった。
菊池先生の固い表情を見ていると、知られているとは思っていなかったのだろう。
「1人の生徒に肩入れするのはどうかと思うって言ったの菊池先生じゃないですか。」
『俺は別に須崎1人に肩入れしてるわけやない。』
「今は須崎とは言ってませんよ。」
『お前なぁ。』
さすがに今のは子供っぽかったかと一瞬後悔するが、菊池先生の反応は以前とは少し違っていた。
前はもっと、本当に関心がない様子だったのに。
今は須崎の名前が自然と口から出てくる。
『でも、悪かったと思ってる。』
「え?」
『深く関わるなとか放っといたらいいとか言ったことは…俺が悪かった。』
「どうしちゃったんですか。菊池先生が謝るなんて気持ち悪いですよ。」
『気持ち悪いてなんやねん。』
菊池先生は呆れたように言ったけれど、未だに信じられなかった。
あの鬼の菊池先生が、自分の発言を訂正して謝罪するなんて。



