『おわっ。』
暗くなりかけた駐車場で車にもたれて立っていた俺に菊池先生が飛び上がった。
帰宅しようと自分の車の鍵を開けようとしたところでふと考え直して、菊池先生を待っていたのだ。
「菊池先生でもそんな声出るんですね。」
『うるさいな。何してんねんこんなとこで。』
「待ってたんですよ。たまにはご飯でもどうですか。」
『は?』
驚かされたことをまだ怒っているのか声が明らかに冷たい。
まぁご飯に誘ったことなんて一度もなかったから、単に怪しんでいるだけかもしれないが。
『なんでお前と飯食わなあかんねん。』
「話しましょうよ、いろいろ。」
『話すことなんかないわ。』
「須崎のこともですか。」
ふつっとスイッチが切れるみたいに菊池先生が黙った。
痛いところを突いたつもりはなかったから、その反応に俺の方が戸惑う。
やっぱり菊池先生と須崎が俺の知らないところで距離を縮めていると確信してしまって。



