『菊池先生は。』
「元気や。で、その先生って言うのやめてくれるか。」
『俺にとっては、今も菊池先生は菊池先生なんで。』
パンを食べ終えた新田がまっすぐに向かい合ってそんなことを言う。
そうかもしれないけれど、菊池先生と呼ばれる度に沸き上がる想いがある。
『変に遠回りしても時間の無駄なんで、単刀直入に聞きますけど。』
「あぁ。」
『なんですか、あの伝言は。』
竹石先生に宛てた手紙に書いた新田への伝言は、ちゃんと伝わっていたようだ。
2年間ずっと気にかかっていた、新田のその後と現在。
「何って、あのままの意味や。」
『伝言だけ聞いたわけじゃありませんよ。』
「え?」
『竹石先生から、あの手紙ごと渡されたんです。』
一瞬言葉に詰まった。
あの手紙が新田に渡るとは思っていなかったから、竹石先生の意図を必死に探る。
『俺があの手紙を読んでどう思ったと思います?』
何も答えられず、沈黙で続きを促す俺を新田がまっすぐに見つめる。



