倒れ込んだときに須崎を巻き込んでしまい、まるで俺が押し倒したような格好になっている。
ベッドの下に並んでいる須崎の靴も、少しだけ開いているカーテンの入り口も、保健室のドアからは反対にある。
絆創膏を探しているのであろうカタカタという音を聞きながら、頼むから早く出て行ってくれと願う。
下から俺を見上げる須崎は、自分の行動に自分で驚いているのか目を泳がせている。
時が止まったような、永遠にも感じる数分。
『血止まったか?』
『あぁ。行こーぜ。』
男子生徒たちが保健室を出て行くと、少しずつ賑やかな声が遠ざかっていく。
「何考えてんねん。」
『…ごめんなさい。』
急いで立ち上がって離れると、気まずさのあまり突き放すように言ってしまった。
突然聞こえてきた声に慌てた末の行動だと思っていたが、とても心細そうな表情をしている須崎に鼓動が速まる。
「悪い、きつい言い方した。」
『私…、』
何か言いかけて、そのまま俯く。
腕の中に、まだ須崎の温もりが残っている。



