原先生から不用意に責められていた須崎を新田はその場から連れ出した。
須崎の力になりたいという想いは強まっていたはずだ。
須崎が言ったことは、決して新田を傷つける為ではなかったと早く新田に伝えたかった。
でもそれと同じくらい、このままでいたいと思う自分に戸惑う。
頭に置いていた手を下ろし、抱きしめたいという気持ちを必死で抑え込む。
不意に、保健室の外から賑やかな声が聞こえてきた。
明らかにこちらに向かっている声に須崎が焦ったように俺から離れる。
授業前の保健室、カーテンの中に2人。
こんな状況を見られたら終わりだ。
とっさにカーテンの外へ出ようとした俺の腕を、須崎が思いがけず強い力で引っ張った。
勢いよくドアが開いたのと、須崎に引っ張られた俺がベッドに倒れ込んだのはほとんど同時だった。
『あれ、里谷先生いないじゃん。』
『絆創膏くらい勝手に持ってっていいんじゃね?』
そんな会話をすぐ近くに聞きながら、身体の下にいる須崎の顔をただ見つめていた。



