ダダダと走って行く騎士たち 静かにドアを閉め、背をつける。 …今かもしれない。 手足は自由。 おまけにサンチェさんもいない。 それに、動物探しで警備にあたっている騎士が普段よりも少ないかもしれない。 すぐさま部屋のクローゼットを開け、着れそうなものがないか探す。 色とりどりのボリュームのあるドレスたちに目もくれず、まともな服がないか、掻き分けている。 と、隅の方に、綺麗に畳まれた黒の服があった。 それを手に取り広げると、それは自分の騎士服だった。 「サンチェさんが……?」