ずっと苦しそうに聞いていたアキが声を上げたのは、クロードの護衛をした時に行ったところが私の里を無くした人たちの本拠地だと言った時だった。


ひと通り聞いたアキは額に手を乗せながら、しばらく天井を眺めたのち、ローガンさんたちに振り返る。




『専属護衛のお話、受けさせてください。』









それからはアキが護衛として側にいるため、精神的な安心感が更に増した。

 
アキは私がイオ様の婚約者だと知って、接し方を変えようとしていたけど、私が嫌だと頑なに言って納得してくれた。



「今思えば、シンアって妙に美人だったよな。」


「そんなことない。普通に馴染んでたよ。」


「いや、なんか、ふとした時の顔が色気あるなって思ってたの思い出した。」



「お嬢様はご自分の美しさを自覚してください!」




スズが器用に髪を編みながら鏡越しに怒る。

苦笑いしながら、髪の色に目をやる。



いつの間にか地毛の色が耳の辺りまできていた。


長さは相変わらず肩上のため、ようやくここまでになったと嬉しさを感じる。