陰の王子様






「あ、そういえばスズ。良い人はいるの?」


「そうですねー。手の届かない憧れの人ならたくさんいますよ。」



そう言って、ローガンさんはじめ、サンチェさんやジンの名前が上がる。



「お嬢様はイオ様をどう思いですか?」














「お嬢様?」


「あ、うん。…素敵な方だと。」


するとスズが、手が泡だらけのまま私の前に回り込んだ。

顔に満面の笑みを浮かべて。





「素敵ですよね!?」


「…うん。」


「お優しい方ですよね!?」


「うん。」


「惹かれました?」


「……たぶん。」




満面の笑みだったスズの顔が今度はみるみる歪んでいく。


「えっ、どうしたのスズ」


「…嬉しいんです。っお嬢様の、安心できる場所ができたことがっ。」



「…まだ、気が早いよ。」


「いいえっ、私には分かります!」




目に涙を溜め、大丈夫です!と両手を握りしめて言うスズ



「イオ様なら、お嬢様を守ってくれます!」