陰の王子様






スズが勧めてくれた優しいイエローのドレスを着て、私は後宮の庭へと向かった。


他の令嬢と鉢合わせることがないようにか、後宮の作りは普通の建物とは違っていた。



これなら今度から部屋を出てみるのも良いかなと思ったが、もしかしたら覗き見れる場所があるのかもしれないと1人で納得する。



じゃないと、どこで誰が誰と何してるなんて広まりようがないもの。


そんなことを考えていると、スズが着きました。と言って、外に出た。





「ここは誰でも利用できる庭なんです。実はお嬢様のお部屋の側に、お嬢様専用のお庭もあるんですよ。」

「えっ、そうなの?」

「はい。久しぶりに私と遊びます?」


クスクスと昔を思い出しているのか、可笑しそうに笑うスズ

年の近いスズとはたくさん遊んでいた。

私がスズを誘って里の子どもたちと追いかけっこしたり、泥だらけになりながら虫を捕まえたり。




2人で昔を思い出し、笑いあいながら、進んでいると、向こうからも話し声が聞こえてきた。