「ここは限られた者しか入れないんだ。レティシアも知らない場所だろう?」

「はい。……私、入ってはいけないのでは…。」

「いいよ。俺が呼んだんだし。…それに、あいつら、ここ好きだから。」


あいつら?



それっきり話さないイオ様に手を引かれて、森のような場所を進んでいると、突然ひらけた場所に出た。


そこはとても広い場所で、草花が綺麗に咲き、その空間を気持ち良さそうに走り回る動物がいた。




「あの馬って…、」


「俺の相棒だな。」

白い毛並みを風に靡かせて走る綺麗な馬



あの時の馬は、ぼんやりとしか見えてなかったけど、綺麗だと思ったし、絶対あの馬だ。




「……っ、あの犬たちも見覚えありますっ!」


元気に馬と走り回っている3匹の犬




もう勝手に込み上げる涙で温かい陽だまりのような光景が歪んでくる。



「みんな、っイオ様の…?」