着いた時には屋敷の半分は火にのまれていた。



キース家の庭には使用人たちが集まって、屋敷の行く末を見守っていた。


「イオ様!?」



甲高い声が屋敷を見ていた全員をこちらに向かせる。

足早に近寄って来たライラ・キースは体を震わせながら訴えた。



「…私、の家が…、大切なものも、たくさんありましたのに……。」



「ライラ様っ…。」



俯くライラの周りを令嬢が取り囲む。

…俺の目の前でする必要があるか…?



嫌悪感を抱いてしまい、屋敷が燃えてる令嬢に失礼だなと感じ、静かにそこから離れた。



ローガンは騎士団に指示を出しており、消化活動を始めるようだった。


「屋敷にいた方はこれで全員ですか?」


「…全員ではないのですが、各自避難できるところから避難したので、外に出られてる者もどこかにいると思います。」



……ということは、中にもいるかもしれないということ。