陰の王子様





「いいのよ。私たちレティシアちゃんには心から思う方と添い遂げて欲しいもの。」


「アメリアさん……。ありがとう、ございます。」



…気負わなくていいんだ。


そう思うと、スッとここ最近の胸のつかえがとれた気がした。













「………ここにまで、来てしまった。」


ふかふかと履き慣れないヒールが絨毯に沈み、さらに歩きづらい。



騎士の頃は片手で数えられるくらいしか来たことのない城の最も緊張する場所




国王の執務室とか、謁見室とか、…とにかく国王様関連の部屋が立ち並ぶこの場所





前を歩くジョセフさんには、『国王に紹介したいから。』と言われた。



『国王とは仲良いから、かしこまらなくて良いよ。あっちもそのつもりだろうし。』

とも言われた。