「シンア!体がブレすぎだ!!足腰力入れろ!」


「…っ、はい!」




グッと体が沈みそうなのを耐え、全身で受け止める。



訓練用の剣のため切れないが、油断は禁物だ。
それに、力で対抗するのは分が悪い。


「シンアぁ、もう降参しろ。お前の細腕じゃ俺には勝てねーって!」



この優位な状態に、剣越しに余裕の笑みを見せる相手。




舐められている。


そう思うと苛立ちからか、一気に相手の剣を振り払うことに成功した。


「うおっ!」


「……その細腕に負けたらどうする?」



よろけた一瞬の隙を狙い、相手の軸足を蹴り払う。
倒れながらも剣を突き出してくるのをしっかりと避け、素早く倒れた相手の顔の数ミリ手前に突き出す。




「勝者、シンア!」