陰の王子様




ガシッと手を掴まれ、どこかへ連れて行かれる。




暗くてわからないが、結構歩いている気がする。






「…さあ、座って。」



着いたのは、中庭にある屋根付きのベンチ

月明かりに照らされて、クロードの顔も見える。


座ったクロードの隣にぴったりと座らせられる。




「美しい夜だ。」



月を眺めるクロードに対し、自分は冷や汗が止まらない。

逃げ出したくなる自分を必死に止め、心を落ち着かせる。




「何か見たかい?僕の女神よ。」


急にこちらを向き、至近距離でクロードと目が合う。