「雪葉?早く朝ご飯食べちゃいなさい遅刻するわよ〜」

「あ、うん!いただきます」



「ごちそうさまでした。行ってきます〜」

「「行ってらっしゃい」」

ガチャッ

「遅い」

玄関を開けた少し先で立っている男子が不機嫌オーラ全開で言ってきた
こいつは藤原和人(ふじわら かずと)1つ年上で私達の幼馴染み。昔からよく3人で遊んでいた
私、お兄ちゃん、和人…
《…る…んも早く!早くー!》
あれ?…もう1人いたような…優しく笑う男の子…君は誰?


「…い!おい!」

「へっ?!和人なに?」

「なに?じゃねぇよ早くしねえと置いてくぞ
ただでさえどっかの誰かさんが出てくるの遅いから遅刻ギリギリなんだよ」

「はー?別に迎えに来てなんてお願いしてないんだから1人で先に行けばいいじゃん」

そう冷たく言い私は先を歩いて学校に向かった

「心配なんだよ…」

静かにそう呟いた声に聞こえないふりをして

あの日以来和人はなるべく私の隣に居てくれるそんな和人の優しさを素直に受け止められない自分に嫌気がさす
和人だけじゃないお母さんもお父さんもみんな私の心配をしてくれているのに…