「ゴォォォーール!!なんと、朝桐さんが逆転一位となりました!いや~すごいですね!感動しました!ちなみに、彼はどこのクラスの人なんでしょうか?」



ゴールテープを切り、斎宮くんはゆっくり私を下ろすと、膝に手をついて呼吸を整える。



「つ、疲れた……」


「大丈夫……!?やっぱり私、重かったよね……!?」



まさか本当に走り切っちゃうなんて、思いもよらなかった。

……すごいよ、斎宮くん。



まだ心臓はドキドキしてるし、死ぬほど恥ずかしかったけど、許してあげる。



むしろ……



「……ありがと」



ほんのり頬を赤く染め、照れくさそうに笑ってみせた。



「朝桐……」


「……ん?」



斎宮くんがなにか言おうとした時……



「ちょ、ねえねえ!そこのイケメン、名前は!?」

「ねえ、何年何組なの!?」



そっ、そうだった……忘れてた……!



ゴールをした私たちの元へ、女の子たちが物凄い形相で迫ってきていた。



斎宮くん、何故か素顔バラしちゃってるし……!

ウチの学校ってことはもうバレてるし、このままじゃまずい……!



「いつ…じゃなくてっ。逃げよ!?」


「は?…あ、ちょ……!」