隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

こんな大衆の面前で、彼に恥をかかせるわけにはいかない。

というか、私が恥ずかしさに耐えれそうにない。



「大丈夫だって!俺、結構力持ちだし、ほら、おいで」


「えっ、ちょ、ほんとに私は……」



そんな真っ直ぐな笑顔で、腕を開かれても……!



まさかこれは、抱っこする体勢ですか……!?



……可愛くて自分に自信がある子なら、こういう時、素直に抱っこしてもらえるのかもしれないけど、私は……。



やっぱりむり!と断ろうとした時だ。





「俺にしとけば?」





「…………へ………?」



突然聞こえた声に思考が停止する。



呼吸をするのも忘れ、一瞬時が止まった気がした。



目の前に現れた、私のよく知る人物。



だけどその姿は、いつもの仮の姿じゃなくて。



髪を整え、メガネを外し、大きな瞳で私を見下ろす。



そして、不敵に笑っていた。



私の、隣の席の人。



「ちょ、どういうこと!?あのイケメン誰!?」

「まって!あの人、ウチのジャージ着てるよ!?」

「あんなイケメンいた!?何年何組の誰よ!?」



生徒や観客、先生たちまでもが、騒然とする。



―――会場にいる全ての人間の視線を、一瞬にして奪ったのは斎宮くんだった。