隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

ちょっと気になるけど、いまは斎宮くんを探さなくっちゃ!



それからも、何とか人混みを掻き分け校舎を目指した。



そして、いつもの倍以上の時間をかけ、目的である校舎までやってきた。



いつもと違って人がいないから雰囲気あるなぁ……。

グラウンドと違って、すっごく静かだし、サボるにはもってこいの場所だね。



玄関で靴を履き替え、廊下を進む。



そして、階段をのぼり二組の教室へと向かう。



きっと綱引きはもう終わってるよね。

となると、私の種目ももうすぐだ。



こりゃ、急いで戻らないといけないですね。



小走りで廊下を進むと、ようやく二組の文字が見えてきた。



教室の前までたどり着くと、勢いそのままドアを開けた。



「あっ!やっぱり、こんなところにいた」


「……なんだ、朝桐じゃん。忘れ物?」



窓際に腰掛け、優雅にイチゴオレを飲んでいた。



「違うよ!斎宮くんを探しにきたんだよ」


「へぇ、そうなんだ。ご苦労様ー」



……こんなにも労いを感じない声色はあるでしょうか。

まったく心がこもってないんだけど……!?



「……あれ、今日はメガネしないの?」



朝のダンスの時はしてたよね。




「こんな時にわざわざ教室くるやつなんていないしな」


「私は来たけど?」


「……うるさい」



分が悪い顔をすると、ジッと窓の外、グラウンドに視線を飛ばす斎宮くん。



「綱引き、もう終わっちゃったよ」


「……うん、さっき見た」