隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

困ったように苦笑いを浮かべる。



私のお母さんと、唯奈ちゃんのお母さんはとっても仲がいい。



だから唯奈ちゃんも、私のお母さんのことはよく知っているのだ。



「相変わらず、すっごく目立ってたよ」


「……やっぱり?おかげで、ダンスに全然集中できなかったよ」



お母さんたちに会えたのは嬉しかったけどね。

でもやっぱり、もっとちゃんと踊りたかった。



「また来年頑張ればいいじゃん」


「……そうだね」



来年まで私のモチベーションが維持出来てる自信はないけど。



「そういえば、斎宮くん見てない?さっきから全然姿がなくて。トイレにしては長すぎる気がするんだよね」


「さあ?あの姿なら逆に目立ちそうだけど」



ほんとにどこ行っちゃったんだろう。

もしかして、サボってる……?



そんな中、次の種目が始まるアナウンスが流れる。



「では、次の種目は綱引きです!出場選手のみなさんは、縄を持って移動をお願いします!」


「えっ!?綱引き!?たしか、斎宮くんが出るって……」


「ん~でも、モジャ髪は見当たらないけど」



確かに……斎宮くんらしき人はどこにもいない。

てことは、やっぱりどこかでサボってるんだ!