隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

このお気楽夫婦め……!

他に言うべきことがあるでしょ!



「ねえ、なんでここにいるの?新婚旅行はどうしたの?」


「昨日の夜、メール送ったけどみてないの?」


「……メール?」



急いでポケットからスマホを取り出し確認する。



メールの画面には、新着メール一通と表示されていた。



『やっほー楓音ちゃん♪元気?
 突然だけど、シンジさんの仕事の都合で、明日日本に帰ることにしたから♪
 あっ、それと、坂巻さんから聞いたんだけど、明日体育祭なんだってね?
 せっかくだからシンジさんと応援に行くから、楽しみにしててね♪』



と、またまた夫婦のツーショット写真が添えられていた。



「全然気づかなかった……。てことは、今朝帰ってきたの?」


「そうそう!空港ついて、お家にも帰らず学校に来たのよ?」



……なるほど。

だからそんな派手な恰好をしているんですね。



でもね、お母さん。

TPOって知ってる?



「大体二か月ぶりかな?楓音ちゃんが、元気そうでよかったよ」


「シンジさんこそ相変わらずですね。それより、お仕事は大丈夫なんですか?」


「うん、大丈夫……と言いたいところだけど、もうすぐ会社に戻らないといけないんだ」



ごめんね、と謝るシンジさんに私は首をふる。



「本当は、今日シンジさんたちに会えてとっても嬉しいです。わざわざ学校に来てくれて、ありがとうございました」



二人は顔を見合わせ、嬉しそうな顔をしていた。